ep02:そして僕は「イソジン」をボトルに詰め始める

第1部:船橋ブラストーリー

まぁ、勤務といっても「軽く店内を眺めてなさい」だった。

1時間ほど、店内を眺めていた。

できるだけやる気のありそうな顔、目つきで眺めた。

あくびさえも、TPOに応じてした。

こういったことが、上にいくために大切な業界。

期待されたのか、早くも次の任務がやってきた。

スタッフ清水が声をかけてきた。

『はじめまして船橋くん、ここの主任のスタッフ清水です。よろしくね』

『このミニボトルにこの液体を詰めてくれるかな?』

満を持して登場した「イソジン」

大きな容器に入った「イソジン」を、小分けにする大役を任されたのだ。

ついに、この時が来たのだ。

10分もすると、慣れてスピードが早くなった。

イソジンの他に「ローション」や、「グリンス」も同様に小分けする。

徐々に女の子が待機する部屋の掃除や、お仕事に持っていくバックの中身のセッティングも任される。

では、ここで入店から1週間どの様な業務をこなすのか紹介しよう。

  • イソジン・グリンス・ローションの小分け
  • 女の子のお仕事バックの中身詰め(イソジン・グリンス・ローション・タオル・大人のおもちゃetc… )
  • 女の子が待機する部屋の清掃
  • 女の子の名前を覚える(源氏名といってもちろん偽名)
  • 下っ端スタッフは本名も知らない。なので客が本名を探索するのは絶対にやめよう♫
  • 自店のシステム・料金を頭に叩き込む
  • 先輩の電話対応を見学
  • 女の子に元気よく挨拶
  • ゴミ捨てや書類のシュレッターがけ

こんなものかな。

この辺はイメージ通りのことも多いと思う。

まあ、新人に任されるいわゆる雑用だ。

幸運にも船橋が入店した店舗にはパワハラの類は一切なかった。

この業界にも、パワハラがあるお店とないお店があって
昼に比べて”あるお店(会社)”の比率が多いだけだ。

あ、労働時間は1日12時間は当たり前。

自分の勤務時間は、朝9時から夜の21時だった。

今は風俗店も”ホワイト化”しているところも多いが、当時はそんなものはない。

デリヘルのスタッフは意外にも、少しインドア系な人が多く、パソコンスキルが高い。

入社してからの1週間くらいは、
毎日のお昼休憩時、先輩方が代わり代わりお昼ご飯を一緒に食べにいっておごってくれた。

今では1日10回喫茶店に行くこともある自分も、ごはんを1日3食食べるお金さえなかった。

お腹を空かせている人に食べ物を与えるのは、いいことだ。

こういうことで、助かる人間が多い業界。

タイトルとURLをコピーしました