ep01:今も初心に帰れる「風俗関係の仕事をしている場所のにおい」

船橋ブラストーリー

スタッフ荒木と千葉の街を歩く。

まだ夕方だというのに街はすでに”風俗街”だ。

地元が近いということもあって、この光景は見慣れていた。

千葉の風俗街は、今も昔も”the風俗街”という感じがして居心地がいい。

初任給でソープランドに行ったのもいい思い出だ。

今となっては”女で稼ぐ”立場になった自分にも、”お金を払ってやらせてもらう”という時期があった。

立場が逆転するのはあっという間で、ちょっとしたきっかけだ。

初めて嗅いだ”あの”におい

荒木と一緒に雑居ビルのエレベーターに乗り込む。

5Fで降りる。扉を開ける。中に入る。

中に入った途端、なんとも不思議なにおいがした。

「風俗関係の仕事をしている場所のにおい」というものが、この世にはある。

業界関係者はわかるだろうが、イソジンやグリンスの匂いが混じり合った不思議な匂いだ。

今でも新規店舗のコンサルにお邪魔した時にこのにおいを嗅ぐとこの頃を思い出すし、初心に戻れる。

初めて”スタッフとして”嗅いだのが、この時だ。

中は意外と整理されていて綺麗だ。

風俗店ということで汚い事務所を想像していたが、生意気にも立派な応接間があった。

そこに通され座る。

履歴書を荒木に手渡し、お茶を頂く。

背筋をピッと伸ばしながら待つこと5分

”爽やか系”の人が『私が店長の佐藤です』と言いながら船橋の前に腰を落とした。

心躍る10,000,000円

佐藤は開口一番

『僕も君の様な体育会系の人間は好きだよ』

と言った。

体育会系なんて自己紹介をした覚えもないし、『僕も』の『も』は一体なんだろうか。

夜の世界には、こういった”自分の願望を勝手に現実の世界に落とし込む”人が多い。

そういった人ほど、「上のポジション」についてたりする。

昼の仕事であれば出世は無理(やばいやつだから)だろうが、夜は多くのことが真逆なのだ。

とりあえず、正解であろう『ありがとうございます』を体育会系っぽく元気に伝えた。

ただ、船橋からみて佐藤の印象は良かった。

デリヘルというとイカツイ感じの人が出てくるかと思ったが、

THE普通

むしろ営業マンにいたら好感を持ってしまうくらい爽やかでイイ感じだ。

佐藤店長から紙を渡され、書く様に促される。

基本的な個人情報だ。

当時はマイナンバーなんて、無意味でおしゃれな番号は個人に割り振られていない。

履歴書と被っている内容も多い。

夜のお店は、とにかく「何か書かせたい」ことが多い。

劣等感が強い分、”ちゃんとしたい”のだろう。

全てを記入し終わると、ついに面接が始まった。

面接で印象に残っている会話の内容

  • 風俗だけど、当グループはビジネスとしっかり捉え真面目に営業している
  • 女の子は絶対。店長と同等クラスだと思ってくれ。
  • 万が一女の子を本気で好きになってしまったら正直に相談してくれ。
  • 最初は大変だけど頑張ってれば年収1000万いくから。

今となっては、当たり前のこと。

どのお店も同じようなことを言うのだろうけど・・・

やはり、「年収1千万」という言葉に胸が踊った。

馬鹿正直に頷いたのである。

結果は合格。

その場で判定をもらった。

当時の夜の業界はまだ、予想通り「即採用」が多かった。(今はきっちりしているところが増えたが)

働く前にパターンを二つ選んで欲しいと言われた。

  • 週休2日制で給料が23万スタート
  • 週休1日隔週1日の月6日休み制で27万スタート

当然、後者を選んだ。

そしてなんと、その日から勤務が始まった。

「即勤務」というのも、多かった時代だ。

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