ep20:キャストがお店を辞めないことが最優先事項-合鍵を排水溝へ-

第1部:船橋ブラストーリー

『色管』という武器に気付いた僕は、もう勝ち戦だと確信した。

船橋は、子供の頃から恋愛は得意だ。

褒められた事ではないが、いたずらに異性と付き合い目的を達成してきた。

中学生やそこらの『目的』と言っても、セックス以外にはない。

それが大人になり、『売り上げ』に変わるだけだ。

僕はなんの違和感もなく目的を移行した。

まず、対象キャストの今現在を洗い出した。

そう、面接で行なっているように最新のカルテを作るためだ。

把握している情報を整理する。

ホストにハマっている。

現在そのホストが色ボケして、対象キャストを引退させ同棲しようとしている。

合鍵はもう渡されていて、入居が迫っている。

本人は幸せの絶頂にいて、キャストをやめる気満々だ。

この整理された情報を元に本人と面談し完璧なカルテと相手ホストの人格を探る。

あとは、

面談により完璧に完成されたカルテを元に対象キャストが船橋に好意を抱き、
ホストを見向きもしなくなる様、『正解』の行動を取るだけだ。

ここで、読者様には非常に注意して欲しいことがある。

この様な手法は、まさに勝てば官軍なのだ。

船橋は、生まれつきかなにか天から授かったものがあるのかと自分でも疑ってしまうほど上手くいく。

この立場になると、水商売、風俗に限らず様々な女性からの相談も多い。

殆どの女性が『気持ち悪がる』行動は、船橋が行なっている事とかなり近い。

なのでこの記事を鵜呑みに『素人』が実践すると間違いなく
あなたの好意を抱いている相手とは、今世では埋まらない溝ができる。

的確な手法は機会があれば執筆する。

今短く伝えるとしたら、

・重要なポイントは必ず全力で抑える。

・相手に気づかれないレールを敷き、相手は自分の足で進んでいるかのように進める

この二つはかなり大切だ。

今回悩んだポイントは、自分を上げるのと相手を落とすの順番と流れだ。

男性諸君はよく耳をかっぽじって聞いて欲しい。

人間関係において、相手を落として自分を上げる行為は非常にダサい。

相手が一流に近ければ近いほどそんな奴は信用されない。

ただ、状況によっては有効な場合がある。

それはいつか。

相手が著しく賢くない場合、最低な手法も最低だと気付かれない。

また、落とす相手がそもそも今にも崩れそうな崖の上に立っている場合。

これは、自らの手を汚さずとも小指で少し押してやれば勝手に落ちていく。

ホストにはまっているとなると、いきなりこの条件は揃っているのだ。

ただSNSを見ると、自分が好意を抱いている相手がホストにはまっていると
嫉妬心からか、崖の上に立っている様な相手を全力で落としに行く。

まずこれがみっともなく、嫌われる。

そして大抵そういう男性は、既に崖の下からだ。

まずはこのブログを読み、『見』の状態で待機する事をおすすめする。

船橋はあっけなく48時間で当然の様に自分で課した任務をクリアした。

相手を小指で押し崖の下に押しながら肯定してやり、隙間ができた心に滑り込む。

簡単な作業だった。

任務達成の翌日

合鍵はその辺の排水溝に捨てられ、キャストさんは笑顔で出勤していた。

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