ep10:予想通りに当たり前のように採用される船橋

第1部:船橋ブラストーリー

僕は、ミナミにきたことがない。

新宿を少ししょぼくした感じだと感じた。

関西人が聞いたら激怒しそうだ。

雑協ビルにある求人部というところに案内され、面接がスタートした。

面接といっても、東京から単身鞄ひとつで出てきたわけだから不合格というわけには行かない。

ここは本気を出した。

船橋は面接が得意だ。

本気をだした。

「まあままとも」なら”あたり”の業界

後から思ったことは、この本気を出しすぎたのが行けなかったのかもしれない。

本気を出した甲斐あって、求人部の方は僕の事をすこぶる気に入ったようだ。

数ある店舗の中で、船橋の配属店舗が決まった。

求人部の方が、配属先の店舗に電話を入れる。

求人部

『今から行かす新人、雑用とか一切やらすんじゃねぇぞ。大切に育てろよ。たまに見に行くからな』

僕は驚いた、会って3秒で合体ならぬ、会って30分で評価急上昇。

ただ、ある程度は想定内。

求人での男子スタッフの質は、基本最悪だ。

ゴミしか来ない。

これを書いている自分自身表現が悪いなと思うが、紛れもない事実なので仕方ない。

僕は、自分で自分が”あたり”だと理解して応募している。

これから風俗業界に飛び込む方へ

一般社会の仕事について、それなりの成績を残している方であれば
とりあえず、入社の時は大当たりと判断され期待されると思う。

重要なことは、過去の栄光にひたらず謙虚に一生懸命やる事。

そうすれば、この業界での成功の道はかなり近く。

逆に、自分がこの業界に流れるようにしてたどり着いたなと思う人。

面接に望む前に今一度、まず身だしなみの確認。

質疑応答の確認。

上司が年下だとしても、しっかり割り切る。

最低限の常識を忘れずに臨んでくれ。

トイレ掃除から始める覚悟はできているよ

話を戻す。

そうして過保護な扱いを受けて船橋は配属先の店舗に車で送られた。

きらびやかなホールと接客をするセクシーな女性を横目に、
バックグラウンドの待機場のような場所に通される。

5分くらい待っただろうか。

かなりイカつく、威勢の良さそうな人がやってきた。

いかつい人は、名を浅地と名乗った。

第一声は、

『お前が船橋か、なめるなよ?』

僕は固まった。

それは、とてもとても喧嘩越しであった。

浅地さんはさらに畳み掛ける

『うちは入ってきた人間は例外なく雑用からなんだよ』

浅地さんはさらに凄む

『トイレ掃除からきっちりやらせっからな』

僕は少し遅れて事を理解した。

先ほどの求人部からの連絡に怒っているのだ。

僕は当然、イチから、そうトイレ掃除からバッチリやる覚悟できている。

何も問題ないと思った。

むしろ変に温室で育てられる方が不本意だと思っていた。

『もちろんです。よろしくお願いいたします。』

体育会系的なオーラをしっかり出して、はっきりと浅地の目を見て伝えた。

浅地は意外そうな顔をして、『あぁよろしく』と答えた。

ある程度面接的な内容を浅地さんと話した後、
今日は俺について店内を見学してろ。と言われた。

そして浅地さんは僕に向かって

『お前、想像と違って意外といいやつだな、頑張ろうな』

と、顔に似合わないキュートな笑顔を見せてくれた。

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