僕は都内のとある警察署の留置場に留置された。
逮捕なんて正直なれっこであったが、成人後の留置は初めてだ。
色々なわけがあり、1週間は独居房だった。笑
留置場での話は、とても濃い話になる。
なので濃い部分は、別編でお届けするとしよう。
船橋は、警察署の中で何度も再逮捕された。
そしてどんどん起訴、更に追起訴され、1年近く留置場の中にいる。
皆どんどん拘置所に移送されるなり、釈放されるなりして入れ替わるので
一番の古株となり、留置場内のドンになっていた。
ドンとは言っても、ムードメーカーに徹した。
悪い奴は留置所に入っても、特に何もこたえない。
でも、これが酔っ払って喧嘩したサラリーマンだったりすると
人生初の出来事に戸惑っていたり、不安が襲ってきたりしているようでどうも暗い。
そういった人に対しては、そんなに心配がいらないことを伝えたり、楽しい話をして盛り上げた。
暑い時期に逮捕拘留されたはずだが、気づいたらかなり寒い季節になっていた。
船橋は率先して大晦日に皆で除夜の鐘を聞こうと、窓を特別に開けてもらった。
船橋は0時前には寝ていた。
そして勢いそのまま、暖かくなるまでそこにいた。
優秀な私選弁護士様の力もあり、数回の裁判を乗り切り、執行猶予判決でシャバに出ることを許された。
季節が一周していた。
驚くことに、年も1つとった。
不思議なもので、警察署の近くのコンビニで会計を済まそうとすると、お金の使い方を忘れていた。
しかし、この一年間は船橋にとって無意味ではない。
中で陽気に過ごしてたが、外に出れた時は本気で仕事をしようと決めていた。
そして、その気持ちは水商売・風俗に完全に決まっていた。
僕、船橋のナイトワークライフを語る上では、ここまでがプロローグなのかもしれない。